【木造住宅 増築】 U邸 〜狭小地住宅・外張り断熱工法による高断熱住宅〜
キッチンは対面式でカウンターを設けました。システムキッチンはキッチンスペースが広く取れないため、奥行き750サイズのトーヨーキッチンを採用しました。

2枚目の写真は居間上の吹抜を眺めながら通る2階の廊下です。廊下の上にはロフトもあります。屋根裏空間はロフトや吹抜などの勾配天井として利用し、この家には屋根裏が存在しません。 また隣地境界から立地上採光を見込めないため、各部屋の勾配天井を利用してトップライトを設けています。

設備面では、お施主さんの老後の事を考え、1・2階とも床暖房及びトイレ洗面完備しています。
光熱費のランニングコストを抑えるために、床暖房と給湯の熱源は灯油やガスを使わない電気温水蓄熱器(エナーテック ウェルエコ)を採用。(*エナーテック社は2015年に倒産)

一方、いくら暖房設備で家を暖めても、断熱性能が低ければ建物の保温作用が少なく、エネルギーを過大に消費してしまいますので、保温性を高め省エネルギーにするために外張り断熱工法(アキレス)による高断熱仕様にしました。
開口部のサッシは2004年当時の断熱サッシではありましたが、それでも吹抜の大型サッシからコールドドラフトによる冷気が感じられると指摘があり、サッシ内側に設けていた障子戸の気密を高める事でコールドドラフトを防ぎました。

このように断熱や設備の充実した真壁造りの和風住宅となりました。

***概要***
◇長野県塩尻市U邸 ◇狭小地住宅・外張り断熱工法による高断熱住宅 ◇ ◇ お施主さんの主要な要望は2つ、1つは「とにかく暖かく」、2つ目は「明るく」でした。 ◇Uさん宅はいわゆる狭小地。間口が3間もない「うなぎの寝床」といわれるような敷地でした。そのため隣地から採光を得ることと、居住空間を広く確保することが難しく、非常に制約のある設計でした。 ◇ ◇「暖かさ」は外張り断熱工法と床暖房(1・2階のほぼ全面)によって解決。 ◇「明るさ」は各部屋にトップライトを設けたことと、居間上部を吹抜にし大型開口部を設けたことで解消しました。 ◇ ◇狭小な敷地という制約のある設計条件でしたが、それが返って空間的に変化を与え、奥行きと広がりを感じる家になったと思います。
【写真】
◇居間(吹抜を見上げる) ◇【詳細】  ◇キッチン / 2階廊下 / 居室