【平成18年度 「海野宿」茂木宅 保存修理工事】 屋根工事@
@【左上】箱棟 上棟(棟木・桁・屋根板は新材取替)
A【左下】箱棟 
B【中上】箱棟 気抜け窓(格子の痕跡により復元)
C【中下】箱棟 全容
D【右上】箱棟 三州本いぶし瓦葺 (面戸瓦と模様入り鎌軒瓦の施工の様子)
E【右下】箱棟瓦葺き完成 (鬼瓦・鳥伏間瓦など)


箱棟はお隣に倣うかたちで復元(と言えるか疑問はありますが)しました。
お隣には気抜けの櫓がありますが、うちは櫓はなく、煙出しの格子窓が開いているだけです。

箱棟の木部は、上棟する前に木材保護塗料を施しました。
塗料は、(株)プラネットジャパンの天然木材保護塗料プラネットカラー(ウッドコート)を使用しています。

瓦は、部位によっていろんな役物が使われます。一社の瓦製造元だけでは対応できないため、四社の瓦製造元から取り寄せることになりました。瓦の施工は上田市の千曲瓦商会さんにお願いしたのですが、千曲瓦商会さんの取引している碧南窯業(株)さんより各瓦製造会社から本いぶし瓦を取り寄せてもらいました。

切落桟瓦・軒台・切落袖瓦は、(株)篠田屋の三州いぶし瓦 銀昂(GINKOU)、
模様入り鎌軒瓦、面戸瓦、巴付棟巴、鳥伏間瓦は、カネリ製瓦(株)、
厚のしは、エビス瓦工業(株)、
鬼瓦はマサヨシ(株)の製品(六寸吹流丸立鬼)です。

工事の見積りでは、南面と西面だけが本いぶし瓦で、街道から見えない部分の北面と東面は三州陶器瓦になっていました。つまり大棟を境に左右種類の違う瓦になるのです。
予算上の理由によるものですが、そんな歴史的建造物はないだろうと思い、全面いぶし瓦に変更しました。

また、軒先の隙間に施すものに、面戸というものがあります。東信地方では面戸に施工の簡単な鉄板を一般的に使っています。ですが、鉄板で塞ぐ方法は近年の手法であるし、歴史的建造物にはふさわしくないと考え、面戸瓦を使用しました。


【箱棟(はこむね)】
厚板で鞍箱形に作った大棟。断面は家形をなし、板造りのままの場合や、頂上の屋根板の上にのみ瓦が並べられる場合がある。草葺民家で棟に瓦を並べる場合にも使われる。

【気抜け窓(きぬけまど)】
民家で屋根裏または2階を蚕室として用いるために、採光・換気用として大棟にあけられた開口部。越屋根を付ける。櫓(やぐら)・箱屋根・抜気高窓などとも称する。

【面戸瓦(めんどかわら)】
瓦と瓦、または下地材と瓦のすき間を埋める瓦。

【鳥伏間または鳥衾(とりぶすま)】
大棟・降り棟・隅棟などの鬼瓦・鬼板の上において前方に長く反って突き出ている円筒状の瓦。「鳥休み」、「雀瓦」ともいう。





【工事種目】
◇屋根工事(箱棟)
【工事内容】
◇三州本いぶし瓦葺
【日付・写真】
◇2006.10.27
【詳細】
◇@箱棟 上棟(棟木・桁・屋根板は新材取替) ◇A箱棟  ◇B箱棟 気抜け窓(格子の痕跡により復元) ◇C箱棟 全容 ◇D箱棟 三州本いぶし瓦葺 (面戸瓦と模様入り鎌軒瓦の施工の様子) ◇E箱棟瓦葺き完成 (鬼瓦・鳥伏間瓦など)