栖風采プランニング_「海野宿」で古民家再生・住宅設計等をしている長野県東御市の建築設計事務所

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海野宿にある我が家は、競売に出されていた古民家でした。私達は2001年、競売でこの古民家を手に入れました。
文化財でもある我が家の取得から保存修理工事に至るまでの様子や、古民家を所有してみて初めて気付いたこと、感じたことなど、設計者兼所有者としての視点から思うまま書き連ねていこうと思っています。
■古民家探し

20世紀最後の年となる2000年、やっと一級建築士の試験に合格し、晴れて設計事務所を開設することになりました。当時住んでいた須坂市のアパートは、既に書籍・カタログ・サンプルや大きな製図板、複数のパソコンなどでかなりのスペースを占められ、人間(私達)はモグラのような生活?をしていたので、手狭になったアパートから事務所開設に向けて、新たに事務所となる建物を探していました。

もともと、私達は歴史的な建物が好きで、事務所はやはり民家が良いかなーと、日本民家リサイクル協会の民家バンク情報や『情報誌ふるさとネットワーク』、『田舎暮らしの本』などに載っていた民家の物件を当たっていました。

日本民家リサイクル協会の民家バンク情報は、建物(民家)のみの取引情報ですが、たまたま土地も売ってくれる物件があり交渉してみました。ところが交渉を進めていくうちに、民家(主屋)付の土地、それも300坪近い広さなのに、更に果樹園2500坪、杉山1000坪も一緒に買ってくれないと困る・・・ということになり、全部で何千万・・・という話になってしまいました。
確かに民家といっても農家住宅ですから、所有者にしてみれば主屋だけ売って農地や山が残っても困ります。
当然、私達には買えるはずもありませんでしたが、それだけの敷地を購入するとなると、職を変えなければならない事態です。

他に、知人からも何件か民家の話はあったのですが、条件に合わず、仕方なく民家は諦めて、須坂市のアパートで事務所を開設することになりました。

ところが、須坂で事務所を開設して1ヶ月も経たないうちに、偶然にも競売に出ている『海野宿』の民家を見つけてしまったのです・・・。



■文化財の古民家が競売に?!

当時、たまたま何かの打合せで上田市にある材木屋さんに顔を出した時のことでした。
社長さんを待っていた時、机の上にあった地元紙に何気なく目を通していた私達。

「・・・ん?更埴に200坪の土地、えー146万円?何これ〜安い!!!」

競売情報でした。
最低売却金額の安さに驚き、須坂から事務所を移転するなら、更埴(現在千曲市)辺りもいいかなーと思っていたところだったので興味津々。
更埴市の他にも上田裁判所の競売物件がいくつもあって、夫と情報を眺めていたら、夫が

「これ・・・海野宿じゃないか?・・・住所の地番が海野宿っぽい」

と海野宿の古民家に気が付きました。

「東部町大字本海野北屋敷・・・」
北屋敷!海野宿かも・・・。

とりあえず上田裁判所へ行ってみました。
競売不動産の買受け手続きのリーフレットをもらい、裁判所の閲覧室で物件の詳細が書かれたファイルを閲覧しました。
まずは気になっていた更埴の物件に目を通していた私でしたが、夫は海野宿と思われる物件のファイルをさっさと見つけ、見るとやはり「伝統的建物に指定」と明記された海野宿の民家でした!!!

250坪余りの土地に古民家・土蔵・離れ・その他付属屋の建物付で、最低売却金額6,554,000円。
とりあえず、資料をメモして、帰ってから海野宿の物件と競売について調べることにしました。


■競売の手続き〜事前調査〜

さて、事前に調査するといっても、何をどう調査すればよいのか。

まずは本屋さんで競売の本を探しました。
地元の本屋さんには競売に関する本が少なく、
@「金融マンのためのー不動産競売申立ての実際」福嶋弘榮 編著/自由国民社
A「必ず得をする競売不動産の入手法」西村泰寿 著/自由国民社
この2冊を購入。
当時はまだインターネットをやっていなかったので、
まずは本を読んで、競売不動産の市場がどういうもので、どのような性質のものかを知る必要がありました。

あとは土地の相場を知るために不動産情報誌と住宅地図を買いました。
交通のアクセス、周辺の施設、学校や病院など調べました。

次に、土地・建物について調べました。上田市にある法務局へ行き、土地・建物の登記簿謄本と公図写しを取りました。

あとは、現地調査。
・・・と言っても建物の外観を写真に撮るだけです。

実は、裁判所で物件を見物できるかどうか尋ねたところ、基本的には所有者が住んでいるので駄目です、と言われました。
確かに、不動産業者が仲介しているわけでもないし、所有者は「売りたくて売るのではなく、強制的に売られる」わけで、たとえ見学を希望しても快く見せてくれるはずがないわけですから、裁判所に言われるとおりに海野宿の物件を直接訪ねることはしませんでした。

更に東部町役場の教育委員会へ行き、海野宿の歴史的建造物の保存修理に関することや補助金の交付について伺いました。思っていたほど保存の規制は厳しいものではなく、補助金も少ないものではなかったので、これなら私達にもなんとか民家を再生できるかも、と希望が持てました。

入札期日まで、なんと、たったの20日しかなく、事前調査は慌しいもので、すぐに集めた資料を基に検討を始めました。



■競売の手続き〜入札価格〜

肝心なのはやはり土地の価格です。
不動産情報誌で周辺地域の相場を調べました。

同じ町内の物件で、2000年当時、
*昭和51年築の中古建物付き土地で約25〜6万円/坪、
*地目が山林の更地で約16万円/坪
でした。

海野宿の物件は、歴史的建造物の他、土蔵などの付属屋と昭和51年築の離れ付きの土地250坪ですので、素人判断で、安い山林の坪単価を当てはめて、250×16=4000万円ぐらいの価値だろうと単純に考えました。

不動産の価格にはこうした相場の金額の他に、公示価格や路線価、固定資産税評価額などいろいろあるようですが、固定資産税評価額は事前調査では知ることはできず、路線価も固定資産税評価額に対しての倍率で計算されるのでわかりませんでした。
一応、裁判所に備え付けてある物件ファイルに公課の額が記載されていましたが、その租税額から逆算して固定資産税評価額を導き出す知識は全くありませんでした。

とりあえず、海野宿の物件は4000万相当だろうと考え、低く見ても半分の2000万ぐらいの価値はあるだろうと判断すると、海野の物件の最低売却金額6,554,000円は、相当安い!相場の1/6〜1/3。
しかも文化財、民家!補助金も出る!
私達にとってこんな好条件の物件は他にはないでしょう。

以前古民家探しをしていた時、立地条件の厳しい山奥の急斜面に立つ古民家で5〜600万円という物件があって、それに比べれば、この海野宿は平地で下水道、都市ガスも来ており、しなの鉄道の駅は近いし、高速道路のインターもある。上田市と小諸市に挟まれて暮らし易そうな環境ではないですか。
入札しようと決心しました。

さて、入札の決心をしたものの、いったい幾らで入札すれば良いのか・・・悩みました。

実はこの物件、平成6年から競売に出ていて、平成13年の当時まで、7年もの間入札がありませんでした。
売れない理由について、
当時は、いくら民家ブームと言っても競売で民家を買おうなんて思う人はいないんだ、
程度にしか思っていませんでした。
それでも今回の入札では私達のような人がいないとも限らない、そうかといって、資金に余裕がないので高い金額も入れられない。悩んだ挙句、キリのいい数字で660万円で入札することにしました。



■入札!!!

入札金額も決めて、さて入札。
・・・とその前に資金の問題もありました。

裁判所でもらった競売のリーフレットには銀行などのローンも可能だとあったので、とりあえずローンを組もうと安易に考えていました。

入札には最低売却金額の2割程の入札保証金を納めるのですが、とりあえず保証金を現金で用意をして入札しました。

入札の方法は、入札締切日時までに、入札封筒(小)に入札書(入札金額などを書く用紙)を入れ封をし、入札保証金の振込証明書と一緒に入札封筒(大)に入れ裁判所へ持って行きます。
こうした事務手続きは結構面倒ですが、私達にとっては設計という職業柄、建築確認申請書などで書類作成は慣れていたので別に難しいものではありませんでした。

とうとう入札!!!
たった3週間足らずの間で、一生涯の買い物となるかもしれない出来事です。
夫36歳、私31歳の時でした。ふぅ。




■競売の手続き〜落札までの出来事〜
只今執筆中です。もうしばらくお待ち下さい。

〜お知らせ〜 
海野宿 民家再生日記は只今執筆を中断しております。
また機会を見て続きを書こうと思っております。

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